映画「オリエント急行殺人事件」は8番(と0番)的

数秘術の視点に基づいた映画レビュー!
作者の意図とは異なる場合があるかもしれませんが、あらかじめご了承ください。

映画 オリエント急行殺人事件

あらすじ

名探偵のエルキュール・ポワロは、予定の変更によりオリエント急行に乗車する。
そこで富豪のラチェットから身辺警護の依頼を受けるが、彼に対して良い印象を受けないポワロはそれを断る。
すると、何者かに狙われていたラチェットは命を落とす。
吹雪いて立ち往生する列車のなか、ポワロは殺人犯を見つけるために乗客に事情聴取をはじめるが……

予告編

オールスター共演

旧作の映画「オリエント急行殺人事件」も素晴らしかったけれど、
今作も素晴らしい。

登場人物がすべて主役級!

ケネス・ブラナー
ジョニー・デップ
ミシェル・ファイファー
ジュディ・デンチ
ペネロペ・クルス……
そして、以前ご紹介したセルゲイ・ポルーニンも伯爵役で出演!
(役柄がダンサーになっていた)

いやー、豪華だし、やはり実力派ぞろい!
ラチェット役のジョニー・デップは見るからに嫌な感じだし、
ポワロ役のケネス・ブラナーのせりふ回しや仕草は圧巻だし、
ジュディ・デンチの気品やミシェル・ファイファーの熱演たるや……

真実が明らかになるにつれて仮面がはがれてくるその過程が、
どのキャラクターも見ごたえあります。

オリエント急行の豪華な客室の再現

箱根のラリック美術館へ車両を見に行きましたが、
本当に美しいです。
映画では余すところなく、その美しさが堪能できます。

 

カメラアングルも良い

かなり凝っていますし、車両という限られた場所を表現するのに
とても良い感じでした。

また、殺人事件ではありますが、そのシーンも非常に工夫して撮影されているので、
怖いシーンが苦手な人も大丈夫なはず。

————-ここから先はネタバレがある…かも。

映画から感じたテーマと問いかけ

・善と悪で割り切れないことについて
・正義とは一体何か
・裁く権利とは何か

善と悪。そして、その間にあるものとは

今回の脚本は、一貫して「善と悪」がテーマになっているなと感じました。

導入部、二つのゆで卵を見比べるポワロ。
「本当に同じ大きさかな?」
この左右対称にこだわる様子は、審判の天秤を連想させます。

このあたりは数秘の8番的です。

CBD Tarot de Marseille by Dr. Yoav Ben-Dov, www.cbdtarot.com

「この世は善と悪しかない」というセリフも出てきます。
映画のなかで、ポワロは審判者です。

しかし、事情聴取を進めて真実が明らかになっていくうちに、
「いったい何をもって正義というのか」が
わからなくなってきます。

“殺人犯は裁かれるべきだ”という定義そのものが
迷いの源泉になっているから判断が難しい。

このあたりは、数秘0番の「光と闇」「善と悪」という、
両方を兼ね備えた性質を感じます。

立ち位置や見方によって、それは光にも闇にも見える。

法律によって裁くこともできるけれど、
では、光と闇を両方含んでいる存在を、一方を見て断罪するのが果たして正しいのか?

ポワロの問いかけは、観客の問いかけそのものになっていきます。

 

この時代だからこそ必要だったテーマ

前作の「オリエント急行殺人事件」は、ここまで善と悪の対比が明確でなかったような気がします。
今回は人種差別などの問題も強調して取り上げられていました。

世の中は二極化が進んでいます。
極端な政策を取る政治家もいますし、
極端な世論に走りやすい傾向もある。

この映画が提示したような
「善と悪、そのどちらにも属さない割り切れない部分」の存在を、
この時代だからこそみんなが受け入れていかなければならないのではと感じました。

ポワロのような寛容さが、おそらく必要になってくるのではないでしょうか。

 

映画「オリエント急行殺人事件」オフィシャルサイト